どうにか地上に戻ってこられたようね。
転移先は前と同じ……北ザナラーンだったみたい。

……さっきは守ってくれてありがとう。
あなたは、先に砂の家へ戻って、
ウリエンジェに報告をお願い。

私も、すぐに後を追いかけるから……。
大丈夫……少し疲れたから、休んでいくだけよ……。

砂の家へ戻って、ウリエンジェに報告をお願い。
私も……すぐに後を追いかけるから……。

英雄の凱旋……よくぞ戻られました……。
その眼は、使命を果たした者の眼……。
「拘束艦」は沈黙したようですね。

しかして、万事は無事にならず……。
あなたに落ちた影の理由を、お聞かせください。

……白銀の凶鳥、ネール・ヴァン・ダーナス……。
そして、我が師が……。

……それでは、ルイゾワ様のエーテルは、
ネールと同様に蛮神「バハムート」に取り込まれ、
かの蛮神のテンパードになったというのですね……。

なんという……ことでしょう……。
……エーテルを束ねし虚構なる幻影とはいえ、
ルイゾワ様と相対するは、私でさえ耐え難きこと……。

……ましてや、アリゼー様にとっては如何ほどか。
この戦い、もはや協力を望むべきではないかもしれません。

余計な心配は不要よ、ウリエンジェ。

アリゼー様……。

私は奴らを倒すと決めた……それがすべて。
それよりも、今回判明した事実を整理させてちょうだい。

……委細承知しました。

報告から察するに、今回の要となるのは、
大迷宮の衛士となったネール・ヴァン・ダーナスです……。

第六星暦末期……エオルゼアを制さんと侵攻せし、
ガレマール帝国軍第VII軍団の長。
それが「白銀の凶鳥」こと、ネールでありました。

彼の者の生家、ダーナス家はアラグの知を受け継ぐ一門……。
それゆえに月の衛星「ダラガブ」の正体を知り、
エオルゼア侵略に用いんとしたのです……。

しかし、制御を司るクリスタルタワーは、当時まだ地中。
ダラガブへの交信を試行錯誤するうちに……
その内に眠る蛮神を目覚めさせ、魅入られたのでしょう。

……そして、数千年の時を越えて、
蛮神「バハムート」の新たなテンパードが誕生したのね。

戦いに敗れ、その命はエーテルへと散ったけれど、
「バハムート」に吸収され、エーテル界には還れなかった。
ネール……哀れな存在よ。

蛮神「バハムート」のテンパード……。
それが、奴らだけだったのならいいのだけれど……。

ネールが言った「愛し子らを抱くゆりかご」という言葉……
狂言と捨て置くには、妙にひっかかるの。

もし、ほかにもテンパードがいるのならば、
「拘束艦」を止めるのと同時に、
そいつらの排除も必要になるでしょうね。

アリゼー様……。
ルイゾワ様にも引導を渡すと……そうおっしゃるのですね。
しかし……本当によろしいのですか？

……何度も言わせないで。
蛮神「バハムート」と、それに関するすべてを断つこと……
それだけが、お祖父様を救うのよ。

テンパードの件も含め、しばらくこちらで調査を進めるわ。
次の作戦が立案されるまで、あなたは休息をとっていて。

まだ気の抜ける状況じゃないけれど……
おつかれさま、Delis。

……そうですか。
あれから5年、もう逝ってしまわれたと知っていて尚、
こんなにも……悲しいものなのですね……。

我が師ルイゾワ……。
真理とは、真実とは……いったい何なのでしょう……。

これまで、それに至ることこそ、
私たちシャーレアンの務めと信じてきました……。

……しかし、その真実が悲しみと絶望を呼び、
他者を傷つけるものであっても……
それでも、明かさねばならないのでしょうか……。

……それが君の「決断」だとでも言うのかい、アリゼー。

ならば、次は「鍵」を使うことになるだろう。
Delisでも、暁の血盟でもない……
私たちが持っている「真実の鍵」をね。

鍵は、扉を閉めるためにもあるんだ。
……蛮神「バハムート」は、閉じられるべき過去なのさ。